断熱方法の種類と特徴
今回は木造での断熱方法について調べました。
工法はいろいろありますが、大きく分けて3種類に分けられます。
1 充填断熱
2 外張り断熱
3 外内W断熱
この3つです。3は1と2が合わさったものと思って構いません。
また、断熱する場所でも違いが出ます。
屋根断熱と天井断熱
基礎外断熱と基礎内断熱と床断熱
で分かれています。
断熱されている場所から内側を室内、外側を外部とするようです。
よって、天井断熱なら小屋裏を、床断熱なら床下は外部環境と考えます。
1 充填断熱とは
木造は在来工法でも2x4工法でも柱が立っていると思います。
その柱の間に断熱材を詰める、のが充填断熱です。
天井断熱と床断熱とすることが多いです。
充填断熱のメリット
・外壁等が出来上がった状態で施工するので、工事が天候に左右されません。
結果、工期短縮されコストダウンにつながります。
・柱の太さ分の断熱材を入れることができるため、
断熱材をたくさん入れることができます。
例えば、4寸の柱なら約12cm、2x4なら89mm。
・そして(外張りに比べて)外壁材に制限が少ないことです。
充填断熱のデメリット
・柱の幅を超える厚さの断熱材を入れる場合、壁が部屋側に張り出してくるため、
部屋が狭くなります。
・柱に使われている木材も断熱性能を持ちますが、充填されている断熱材ほど
性能はよくないため、熱橋(ヒートブリッヂ)になります。
・気密、防湿処理等が甘いと壁内で結露することがあります。
・繊維系の断熱材は気密施工が難しいと言われます。
2 外張り断熱とは
外壁のすぐ内側に断熱材を配置する工法です。
湿気を嫌って壁を二重にして外壁材と断熱層の間に通気層を取るのが一般的です。
屋根断熱と基礎断熱(外、内どちらか)となることが多いです。
外張り断熱のメリット
・上にも出てきた熱橋現象はほとんど気にしなくてよくなります。
・ボード系の断熱材を使うことが多いため、外壁の施工は個人の能力に左右されにくい
(安定する)。また、気密施工は充填に比べてやりやすいと思われます。
・柱の外側に断熱材を配置するため、柱の間を自由に使える為、
柱間を室内側の通気層にしたり、ニッチを多くとったりと様々です。
あえて室内側の壁を張らずに、コストダウンすることもあるようです。
外張り断熱のデメリット
・ボード系断熱材は繊維系に比べて高価、施工が天候に左右されるため、
工期が長くなることがある。結果、比較的高コストになります。
・外壁材に重いもの(タイル等)を使えなくなることがあります。
・燃えやすい断熱材を選ぶと、火災保険料が高くなったり、
防火認定が通りにくくなることがあります。(追加処置が必要になって高コストに)
・分厚い断熱材は施工できないことがあります。(性能を確保しにくい)
・地震で脱落する可能性があります。
(一方、ボード系断熱材によって耐震性能が上がるという見方もあります)
3 W断熱とは
外張り断熱と充填断熱を組み合わせたものです。
外張りか充填が付加断熱と呼ばれることもあります。
基礎外断熱か基礎もW断熱するところもあるようです。
W断熱は充填断熱の熱橋や結露しやすいデメリットを解消し、
外張り断熱の厚さ不足からくる断熱性能を確保しにくいデメリットを解消しています。
その代わり、非常に高コストになります。